聞いてほしい。
昨日、夫が珍しく洗いものをしてくれてたの。
もうね、それだけ聞いたら「いい夫じゃん」「協力的〜」って思うでしょ。私も一瞬は思った。一瞬だけ。
で、食器棚に戻そうと思って、干してあったお皿を手に取った瞬間。
……ぬるっ。
いや、ぬるっ!?!?
なにこの感触。
水?違う。
泡?でもない。
これは……油?前世のカレー?それとも昨日の炒め物の亡霊?
いや待って。
洗いものって、「汚れを落とす作業」じゃなかったっけ?
なんで「汚れを水で薄めて全体に伸ばす工程」になってるの?
その瞬間、頭の中でいろんな感情が一気に来た。
「え、ちゃんと洗ってないよね?」
「これもう一回全部洗い直しだよね?」
「ていうか私、今から“洗いものチェック係”も兼任なの?」
ねえ、なんで?
なんで夫が洗いものすると、家事が減るどころか増えるの?
これって協力?それとも巧妙な嫌がらせ?
しかもさ、本人はドヤ顔なわけ。
「洗っといたよ」みたいな。
その一言で、こっちは文句も言いにくくなる。
言ったら言ったで、「せっかくやったのに」とか言われる未来が見える。
はい出た、善意の盾。
でもさ、考えてほしい。
ぬるぬるのお皿を棚に戻す勇気、どこから来た?
自分だったら使える?
次にそれを使う人の気持ち、1ミリでも想像した?
もうこの時点で、過去の不満も雪崩のように蘇るよね。
洗濯物の生乾き臭、
掃除したと言い張る床のザラつき、
「俺やってる感」だけは一丁前なあの感じ。
ああ、私って何なんだろう。
家事監督?最終品質管理者?
それとも「やり直し前提で全部引き受ける係」?
ここまでくるとさ、極論だけど、
何もしないでソファで寝ててくれた方がマシって思っちゃう。
だって、ぬるぬるチェックしなくていいもん。
二度洗いしなくていいもん。
期待して、裏切られて、自己嫌悪に陥る工程が省けるもん。
あーもう。
洗いもの一つでここまで感情乱される自分もどうかと思うけど、
でもさ、積み重ねなんだよ。
こういう「小さなぬるぬる」が。
今日も私は、何事もなかった顔でお皿を洗い直す。
夫はたぶん気づかない。
そしてまた「俺、家事やってるよ?」って言う。
……そのうち、
お皿じゃなくて私の心の方が、完全にぬるぬるして腐りそうなんだけど。
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